逆流性食道炎の薬を知る。治療効果の高い薬はどんな薬?
逆流性食道炎の治療薬について
引用元:胃痛の対策|くすりと健康の情報局
逆流性食道炎は4種類の薬によって治療されています。
逆流性食道炎は、逆流した胃液が食道を傷つけて起こる炎症です。
通常、胃と食道は下部食道括約筋という筋肉によってブロックされ、胃液が逆流しない仕組みとなっています。
逆流性食道炎は下部食道括約筋の働きが低下したり、胃酸が過剰に分泌されてしまう事で発症します。
逆流性食道炎を薬で治療する場合、主に以下の4種類の作用を持つ治療薬を使用します。
- 胃酸分泌抑制薬
- 粘膜保護薬
- 制酸薬
- 消化管機能改善薬
上記の中でもっとも強く作用する胃酸分泌抑制薬が逆流性食道炎の治療に多く使われています。
胃酸分泌抑制薬とは?
引用元:胃痛の原因と対策|原因編|胃痛や胸やけをもたらす胃酸過多|ガストール【エスエス製薬】
胃酸分泌抑制薬は逆流性食道炎の治療で最も使われることの多い薬です。
胃酸分泌抑制薬とは胃酸の分泌を抑制することで逆流を防ぎ、逆流性食道炎の治療を促す薬です。
- プロトンポンプ阻害薬
- H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)
上記の2つの治療薬が胃酸分泌抑制薬に分類されていますが、作用の強さには違いがあります。
強力な胃酸分泌抑制作用を持ち、効果が長時間維持するプロトンポンプ阻害薬が多く使われています。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は胃の細胞壁にあるプロトンポンプ(胃酸を分泌する機能)に作用する胃酸分泌抑制薬です。
胃酸の分泌が活性化される場合、分泌を増加させる経路が数パターンあります。
最終的にプロトンポンプと呼ばれる場所が働くことで分泌されており、プロトンポンプ阻害薬はこの場所の働きを邪魔することで、どんなパターンの胃酸増加にも対応することができるようになっています。
その為、異なる原因によって引き起こされた胃酸の分泌を強力に抑制することができるのです。
プロトンポンプ阻害薬には
- タケプロン(ランソプラゾール)
- パリエット(ラベプラゾール ナトリウム)
- オメプラール(オメプラゾール)
- ネキシウム(エソメプラゾール)
- タケキャブ(ボノプラザン)
など複数の治療薬が販売されています。
H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)
H2ブロッカーは、胃の細胞壁にあるヒスタミンH2受容体に作用する胃酸分泌抑制薬です。
胃酸の分泌が増加する場合、ヒスタミンH2受容体を含む複数の受容体が刺激を受けることで分泌を促しています。
H2ブロッカーはヒスタミンH2受容体の働きを邪魔することで、胃酸を分泌するプロトンポンプへの信号を妨げます。
H2ブロッカーには、他の受容体への刺激を和らげる効果も持っています。
ですが、胃酸の分泌抑制効果はプロトンポンプ阻害薬に比べると低いので、優先して使われることはあまりありません。
粘膜保護薬とは?
引用元:「逆流性食道炎」の原因は? | 日本調剤(お客さま向け情報)
食道の粘膜を治したり胃液から守る薬です。
粘膜保護薬は胃酸から食道を守り、炎症の改善を促進する効果がある治療薬です。
食道の粘膜を覆うことで、胃酸の刺激から食道を守ります。
空腹な時に飲む薬で作用時間が短いため、他の治療薬と併用されることが多いです。
制酸薬とは?
引用元:ガストール細粒・ガストール錠 | 製品情報 | ガストール【エスエス製薬】
胃酸を中和して弱める薬です。
制酸薬は胃酸を中和して刺激を弱める治療薬です。
胃酸は非常に強い酸性を持っています。
制酸薬を使うと胃酸が中性に近づき、胃酸が逆流しても食道をあまり刺激しなくなります。
効果時間が短いため時間が経つにつれ酸性に戻ってしまいますが、他の治療薬と併用することで効果を延ばすことができます。
消化管機能改善薬とは?
引用元:胃もたれの対策|くすりと健康の情報局
胃の働きを改善して正常に機能させるための薬。
消化管機能改善薬は胃の機能を正常化し、内容物が消化されて排出されるのを手助けする効果があります。
食べ物の消化に時間がかかるとコレシストキニンと呼ばれるホルモンが分泌され、胃酸が増加し、食道を守る機能が弱くなります。
消化管機能改善薬は胃が正常に機能することで消化を促進させ、無駄に胃酸が分泌されないようにします。
その他にも、食道を守る機能を高める効果もあり、胃酸の逆流を起こりにくくする治療薬です。