十二指腸潰瘍とは

2022年12月21日

十二指腸潰瘍ってどんな疾患?

十二指腸潰瘍のイメージ

胃酸が十二指腸に流れ込んで損傷を与えてしまう疾患です。

十二指腸潰瘍とは、本来は胃の粘膜によってブロックされている胃酸が十二指腸に流れ込んで損傷を与える疾患です。

十二指腸は球部(きゅうぶ)、下行部(かこうぶ)、水平部(すいへいぶ)の3箇所に分類されますが、入り口である球部がもっとも胃酸の影響を受けるため、十二指腸潰瘍になりやすい部分と言えます。

胃潰瘍が40代~50代の男性に多いのに対して、十二指腸潰瘍は20代~30代の女性が多いと言われています。胃潰瘍の患者が和食中心、十二指腸潰瘍の患者が洋食中心という傾向があることから、食生活が影響していると考えられています。

十二指腸潰瘍の主な症状

空腹時の腹痛、ひどくなると吐血や下血があります。

十二指腸潰瘍の症状は以下のとおりです。

  • みぞおちの痛み、不快感
  • 酸っぱいものがこみあげる
  • げっぷが出る
  • 吐血する
  • 赤黒い血便が出る
  • 食欲不振

十二指腸潰瘍の主な症状として、空腹時の腹痛があります。とくに夜間や早朝の空腹時に多く、食事をすると痛みが暖和します。

症状が悪化すると潰瘍部分からの出血、狭窄(十二指腸潰瘍がすぼまってしまう状態)などが起こり食べ物を嘔吐してしまいます。
吐血や下血(地が固まった黒い便が出てくる症状)の症状も起こります。

胃酸がげっぷと一緒に逆流することで胸焼けが起こり、口臭の原因にもなります。

十二指腸潰瘍の原因

ピロリ菌引用画像

引用元:ピロリ菌について|大塚製薬

十二指腸潰瘍になってしまう原因の95%がピロリ菌感染。

十二指腸潰瘍の主な原因としては、ピロリ菌の感染が挙げられます。
十二指腸潰瘍の約95%がピロリ菌感染に起因するものだと考えられています。

ピロリ菌について

ピロリ菌は一度感染すると、除菌を行わない限り体内で生き続けます。放置しておくと、ピロリ菌は悪性の物質を生み出して胃腸を攻撃します。これによって胃酸のバランスが崩れて胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こすのです。ピロリ菌に感染した状態では、ストレスも十二指腸潰瘍の原因となります。

ピロリ菌以外の原因として、非ステロイド性抗炎症薬による炎症があります。
非ステロイド性抗炎症薬は主に鎮痛・解熱といった症状に使われる薬です。
ピロリ菌感染に比べると症状が出にくくなり、吐血や下血といった症状が突然あらわれて急性十二指腸潰瘍となる場合があります。

十二指腸潰瘍におけるネキシウムの効果

ネキシウムが胃酸の分泌を制御して、十二指腸に胃酸が流れ込むのを防ぎます。

ネキシウムはプロトンポンプ阻害薬と呼ばれる薬で、胃酸を分泌する際に信号をおくる3つのホルモンを阻害する働きをし、胃酸の分泌量をコントロールします。

ネキシウムとアモキシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤を服用すれば、十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌の除菌補助としても効果があります。

ネキシウムのようなプロトンポンプ阻害薬は強力な効果がある上に副作用も少ないので、十二指腸潰瘍の第一選択薬として処方されております。

ネキシウムの効果について