逆流性食道炎の原因は?発症させない為の基礎知識

2022年12月22日

逆流性食道炎とはどんな状態?

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引用元:逆流性食道炎 | 緑区・天白のさくら医院|消化器内科・婦人科・胃腸科・整形外科・健康診断

逆流した胃酸が食道で炎症を引き起こしている状態です。

逆流性食道炎は普通逆流することのない胃液が逆流し、胃酸が食道の表面を傷つけて炎症が起きている状態をあらわします。

胃酸は胃に入ってきた食べ物を消化する、非常に刺激が強い液体です。
胃の粘膜は胃酸に対する耐性を持っていますが、普通は触れることのない食道は胃酸に対する耐性を持っていません。
その為、胃液が食道に逆流すると簡単に炎症を起こしてしまうのです。

逆流性食道炎の原因について

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引用元:胃食道逆流症(逆流性食道炎)の激しい痛みの原因と対処法 | NHK健康チャンネル

逆流性食道炎は食道を守る機能が弱まることで起きています。

逆流性食道炎は下部食道括約筋などの食道を守る機能の働きが弱まって起きています。

食道と胃の境には「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」と呼ばれる筋肉があり、逆流性食道炎はこの下部食道括約筋が正常に機能しなくなって起きている可能性もあります。

下部食道括約筋は健康な状態だと食道をキュッとしめて胃液や胃の内容物が逆流しないようにし、食べたものを飲み込むときだけ筋肉を緩めて食道から胃に物が通るようになります。
ですが、何らかの原因によって下部食道括約筋の働きが弱まってしまうと食道の入り口が緩み、胃液が逆流しやすくなってしまいます。

食道を守る機能の低下を引き起こしている6つの原因

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引用元:胃食道逆流症(逆流性食道炎)の激しい痛みの原因と対処法 | NHK健康チャンネル

胃液の逆流は下部食道括約筋などの食道を守る機能が弱くなることで起きており、主に6つの原因が挙げられています。

  • 脂肪やたんぱく質の多い食事の摂りすぎ。
  • アルコールの摂取。
  • 喫煙。
  • 過度なストレス。
  • 腹部の圧迫。
  • 老化。

脂肪やたんぱく質の多い食事の摂りすぎ。

脂肪やたんぱく質の多い食事を摂取すると消化に時間がかかり、胃液の分泌が増加して逆流が起こりやすくなります。
その他にも消化に時間がかかると消化を手助けするコレシストキニンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
このホルモンには下部食道括約筋を緩める作用があり、逆流性食道炎が起こりやすくなってしまいます。
脂肪やたんぱく質の多い食事を摂りすぎると胃液の増加を促し、逆流が起こりやすくなるのです。

アルコールの摂取。

アルコールにはコレシストキニンの分泌を増加させる作用があります。
このホルモンの分泌が増えると下部食道括約筋を緩める作用を持っているので、胃液の逆流が起こりやすくなります。
また、アルコールは胃液の分泌も増加させるので、脂質やたんぱく質の多い食べ物同様に逆流性食道炎の原因となります。

喫煙。

喫煙には胃液の分泌を促す作用はありません。
ですが、喫煙によって胃液の酸性が強まり、より炎症を起こしやすくなります。
また、胃液の分泌は増加させませんが、下部食道括約筋の働きは弱めるので逆流性食道炎の発生率は上がります。

過度なストレス。

過度なストレスを感じると食道が胃酸の影響を受けやすくなります。
ストレスによって食道が普通よりも胃酸に過敏な反応するようになり、逆流性食道炎のリスクが上昇します。

その他にも、下部食道括約筋が緩んだり、ストレスで消化不良を起こして胃液の分泌が増えることもあります。
過度なストレスに注意しましょう。

腹部の圧迫。

腹部の圧迫は胃液の逆流を起こしやすくします。
お腹に過度な脂肪があったり、姿勢が悪い、妊娠するなどの理由で腹部が圧迫されると胃が狭くなり、胃液が逆流するリスクが高まります。
ベルトできつく締めるだけでもリスクは上昇するので、腹部の圧迫は可能な限り解消するようにしましょう。

老化

歳を重ねるごとに身体は老化し、筋力は衰えていきます。それは下部食道括約筋も同様です。
老化によって下部食道括約筋の締まりが悪くなって胃液の逆流は起きやすくなり、その他の食道を守る機能も衰えていきます。
このような理由から逆流性食道炎は高齢者の方に起こりやすいので注意が必要でしょう。