ネキシウムの飲み方。長期服用、やめどきに関して
ネキシウムの用法は1日1回で、服用タイミングは自由です。効き目を最大限に発揮するには、食前の服用がベストタイミングです。用量は適応疾患によって異なりますので間違えないようにしましょう。
飲み忘れたら、気がついた時に飲み忘れた分だけ飲んでください。次回分の服用時間が近い場合は1回分飛ばしましょう。決して1度に2回分を飲まないでください。
ネキシウムの服用期間は適応疾患によって定められていますが、場合によっては期間を延長することもあります。やめどきは医師が判断しますので、独断で服用を中断しないでください。
ネキシウムはいつ飲む?服用タイミングについて
基本的には食前・食後を問いません。いつ飲んでも大丈夫です。
ネキシウムの添付文書における用法は1日1回で、食前・食後や時間の指定はありません。
ネキシウムは、服用後24時間胃内のPH(胃液の酸性度)をコントロールします。
服用にあたって、食前・食後どちらで飲んでも問題はありません。
症状によって決められた用量を守れば、どのタイミングで飲んでも効果が得られます。
効果を最大限に発揮するなら食前の服用がおすすめ
ネキシウムは基本的にいつ飲んでも問題ありませんが、厳密にはタイミングによって効き目が上下する可能性があります。
ネキシウムの主成分エソメプラゾールは、食後よりも食前に飲んだほうが血中濃度が高くなることが分かっています。また、食前に飲めば、食後に活性化するプロトンポンプをタイミングよく効果的に阻害できます。
日中の活動中に最も効果を得たい場合には朝食前、夜間の症状を抑えたい場合には夕食前がベストタイミングです。
参考資料:
疾患ごとの用量と飲み方。
ネキシウムは適応疾患によって用法・用量が異なります。
以下、ネキシウムの添付文書に基づいた各疾患ごとの用法・用量となります。
逆流性食道炎の用量と飲み方
成人はエソメプラゾール(ネキシウム)として、1日1回20mgを服用します。
8週間までを服用期間とします。
再発や再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1日1回10mg~20mgを服用します。
症状が重く治りにくいような場合は、医師の判断で服用回数を1日2回に増やす場合もあります。
※難治性逆流性食道炎の場合、食前に服用したほうが効果的と考えられています。
必要に応じて、食道のぜん動運動を促す薬(ガスモチン、ガナトン)や胃粘膜を保護する薬(ムコスタ、セルベックス)を併用します。他にも漢方薬として、消化管の運動を促進する「六君子湯」との併用も効果的です。
非びらん性逆流性食道炎の用量と飲み方
成人はエソメプラゾール(ネキシウム)として1日1回10mgを服用します。
4週間までを服用期間とします。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群の用量と飲み方
成人はエソメプラゾール(ネキシウム)として1日1回20mgを服用します。
服用期間は胃潰瘍および吻合部潰瘍は8週間まで、十二指腸潰瘍は6週間までとなります。
非ステロイド性抗炎症薬を服用した際における胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発抑制の用量と飲み方
成人はエソメプラゾール(ネキシウム)として1日1回20mgを服用します。
低用量アスピリンを服用した際における胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発抑制の用量と飲み方
成人はエソメプラゾール(ネキシウム)として1日1回20mgを服用します。
ピロリ菌の除菌補助の用量と飲み方
成人は以下の3剤を同時に1日2回ずつ、7日間服用します。
- エソメプラゾール(ネキシウム)として1日1回20mg
- アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)
- クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)
クラリスロマイシンは必要に応じて適宜増減する事ができます。
増量は1回400mg(力価)1日2回を上限とします。
上記の3剤によってピロリ菌の除菌が成功しなかった場合、以下の3剤に切り替えます。
- エソメプラゾール(ネキシウム)として1日1回20mg
- アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)
- メトロニダゾールとして1回250mg
こちらも同時に1日2回ずつ、7日間服用します。
ネキシウムを飲み忘れたら
ネキシウムを飲み忘れたら、気がついたタイミングで飲み忘れた分だけ飲んでください。
ただし、次の服用時間が近い場合には1回分とばして次回分だけ飲みましょう。
1度に2回分を飲むのは過剰摂取となりますので絶対におやめください。
ネキシウムを飲み続けても大丈夫?長期服用に関して
ネキシウムの服用期間は逆流性食道炎および胃潰瘍においては8週間まで、十二指腸潰瘍においては6週間までと決められています。
ただし逆流性食道炎に限り、再発のおそれがある場合には、処方を延長することがあります。
ネキシウムを長期服用すると、肺炎や骨折、腎機能の低下といった症状のリスクが上がる事がわかっています。体への影響を考えると、できるだけ長期にわたって使用しないことが望ましいです。
とは言うものの、再発を繰り返す難治性の逆流性食道炎に対しては、維持療法が必要となります。ネキシウムの使用期間を延長するのは、薬のリスクよりも疾患のリスクが上回る場合です。
こういった状況では、医師の判断に委ねて使用を継続するしかありません。
参考資料:
ネキシウムのやめどきはいつ?独断でやめたら悪化する?
ネキシウムの服用期間は疾患によって異なりますが、いずれにおいても医師の診断によってやめるタイミングを決めます。
症状が回復したからといって独断で服用をやめると、再び症状が悪化するおそれがあります。
ネキシウムは医師に指定された服用期間を守り、症状の有無に関係なく飲み続けることが大切です。
ネキシウムの服用はつらい症状をおさえる対症療法であり、胃潰瘍や逆流性食道炎の根本的な治療を行うものではありません。疾患の原因となる問題(潰瘍や炎症)を解決しなければ、薬をやめた途端に再発してしまいます。
中途半端な断薬はかえって治療を長引かせてしまいかねません。
特に逆流性食道炎は長期にわたるケースが多く、生活習慣などの改善を並行して根気よく治療を行う必要があります。
ネキシウムのやめどきは自分で判断せず、必ず医師に確認をするようにしましょう。
ネキシウムとお酒は一緒に飲んでも大丈夫?
ネキシウムの服用期間中にお酒を飲みたくなる場合や、つい飲んでしまった場合もあるでしょう。ネキシウムとお酒の飲み合わせに関してですが、添付文書で特に注意や警告はありません。
お酒と一緒に飲んだことで、何らかの症状が直接あらわれることはないと考えられます。
ただし、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療を行っている時にお酒を飲むのはおすすめできません。
飲み合わせに関係なくお酒を控えるべき理由
アルコールは消化器全般に負担をかけます。
胃液の逆流をせき止める下部食道括約筋を緩めたり、食道のぜん動運動を低下させたりして、胃食道逆流症の原因となります。
他にも多量の飲酒は胃粘膜を保護する仕組みが壊れてしまい、胃潰瘍の発症リスクを高めます。
これらの疾患を治療している時にお酒を飲むと、ネキシウムの治療効果を下げる恐れがあります。
ネキシウムの服用期間中は、できるだけお酒を控えておきましょう。飲むとしてもたまに軽く飲む程度にし、深酒はしないようにご注意ください。