ネキシウムの効果、逆流性食道炎、胃潰瘍、胃酸過多に

2023年1月4日

ネキシウムは胃酸の過剰な分泌を抑えてつらい症状を緩和します。逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などに適応があります。

治療後に再発しやすい逆流性食道炎に対しては、再発を抑える効果もあります。再発を繰り返すような難治性逆流性食道炎に対しては、増量によって治療効果が期待できます。

非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の長期使用に起因するNSAIDs潰瘍に対しても有効です。胃潰瘍の原因菌であるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の除去にも使われます。

ネキシウムの効果・適応疾患

ネキシウムの効果・適応疾患イメージ

逆流性食道炎に対して高い有効率が実証されています。

ネキシウムが逆流性食道炎を治療する効果は、日本での承認時に行われた臨床試験で証明されています。
逆流性食道炎の患者を対象にして行われた臨床試験では、主成分であるエソメプラゾールの20mgおよび40mgの投与が行われました。
投与量ごとにグループ分けされた患者に対し、それぞれエソメプラゾールが1日1回投与されました。
最大8週間にわたる投与の結果、20mgのグループでは87.3%、40mgのグループでは90.0%の患者に病状の治癒効果が認められました。
逆流性食道炎の維持療法においても、ネキシウムは高い再発抑制効果があります。
ネキシウム投与24週間後の非再発率は92%で、従来薬のオメプラゾール(非再発率83%)より優れた結果が得られました。
臨床試験でも証明された高い治癒効果があるネキシウムは、胃腸障害全般における第一選択薬として多く処方されています。

胃酸の分泌を強力におさえて胃酸の悪い影響をなくす効果があります。

胃壁が弱っていると、胃酸は胃粘膜を傷つけてしまいます。これが胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの疾患の原因になったり、胃酸が逆流するとひどい胸焼けを起こしたりします。

ネキシウムは、胃酸の分泌を抑える「酸分泌抑制薬」で、胃酸過多などで胃酸が胃に与える悪い影響をなくす効果があります。結果的に、逆流性食道炎や胃潰瘍の治りがよくなり、胃の痛みや胸焼けの症状を治す効果があります。

逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの治療に高い効果を発揮します。

臨床試験を行った結果、下記の疾患に対してネキシウムの治療効果が統計的にも証明されました。これらの疾患に対しても、治療薬として国から正式に処方が承認されています。

  • 逆流性食道炎(GERD)
  • 非びらん性胃食道逆流症(NERD)
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍

吻合部潰瘍非ステロイド性抗炎症薬を服用した際における胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発抑制。低用量アスピリンを服用した際における胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発抑制。ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の除菌補助胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病。早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎。

上述の臨床試験でも高い治癒効果が得られたことから、胃酸過多・逆流性食道炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの治療にネキシウムは第一選択薬として活躍しています。

ネキシウムの飲み方について

胃酸の過剰な分泌を抑える効果

プロトンポンプ阻害薬の作用機序

ネキシウムは胃酸の分泌を抑制する最新のプロトンポンプ阻害薬です。

胃酸は胃粘膜の壁細胞にある「プロトンポンプ」が、H2受容体、M受容体、G受容体からの信号を受けて分泌されます。
胃酸過多や逆流性食道炎などの病気が原因で起きる胃痛、胃もたれ、胸やけの症状には、胃酸の過剰分泌が大きく関わっています。
プロトンポンプ阻害薬はプロトンポンプに直接作用して、胃酸の過剰分泌を抑える・コントロールする働きをします。

プロトンポンプ阻害薬について

ネキシウムは従来のプロトンポンプ阻害薬と比べて、飛躍的に治療効果が改善された最新の薬です。

強力な酸抑制効果があり、即効性に優れています。従来薬に比べて効き目に個人差がないのが特徴です。
従来薬では治療の成果が見られなかった患者に対しても、治癒効果を発揮します。

難治性逆流性食道炎の治療

難治性逆流性食道炎の場合には、食前の服用が効果的です。

ネキシウムの処方は、保険が適用される限度の量があります。対象となるのは用量として1日20mg、服用期間として最大8週間までです。
逆流性食道炎においてネキシウムは非常に有効ですが、まれに症状が改善されない場合もあります。
通常の用量(1日20mg)では回復しないような難治性逆流性食道炎の場合は、増量によって症状を改善する効果があることがわかっています。

現在、ネキシウムの製造元であるアストラゼネカは、難治性逆流性食道炎に対してネキシウムの用法・用量の追加申請をしています。海外では日本に先立ってネキシウム40mg錠が販売されています。医薬品専門の通販サイトではネキシウム40mg錠も購入することができます。

ネキシウムはプロトンポンプを阻害する薬です。プロトンポンプは食事によって活性化するため、一般的には食後の服用が効果的です。ただし難治性逆流性食道炎においては食前に服用したほうが効果的であると考えられています。

ネキシウムの飲み方について

ネキシウムの効きめの強さはどのくらい?

胃酸の分泌を抑制する薬は、市販薬も含めて多数あります。その中でネキシウムの強さはどのくらいかというと、一般的にはタケキャブに次いで2番めとなります。

タケキャブはPPI(プロトンポンプ阻害薬)の中で最も新しい薬です。P-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)と呼ばれる新しい部類のPPIになります。P-CABは従来のPPIよりも強力な胃酸分泌抑制効果があります。現在のところ、P-CABで認可されている薬はタケキャブのみです。

タケキャブをのぞく従来のPPIは以下の4つです。

  • オメプラール(オメプラゾール)
  • ネキシウム(エソメプラゾール)
  • パリエット(ラベプラゾール)
  • タケプロン(ランソプラゾール)

いずれも効果に大差はなく、ネキシウムと同程度になります。

市販の胃酸分泌抑制薬(ガスター10)より強力です。

プロトンポンプ阻害薬とH2ブロッカーの比較引用画像

引用元:PPIとH2ブロッカー、同じ胃酸を抑える薬の違いは?~効果の強さと、投与日数の制限、ピロリ偽陰性 | お薬Q&A 〜Fizz Drug Information〜

市販の胃酸分泌抑制薬として、ガスター10(有効成分:シメチジン)があります。
ネキシウムはガスター10よりも強力な胃酸分泌抑制効果があります。
これはガスター10がH2ブロッカーと呼ばれる部類の薬であるためです。H2ブロッカーは、プロトンポンプ阻害薬に比べて作用が部分的で効き目は低くなります。

ガスター10は市販薬ですので、薬局で手軽に購入できます。PPIと違って服用期間に制限がないので長期の連用も可能です。
一方でネキシウムほどの効きめは期待できません。

よくある質問・Q&A

ネキシウムの効果に関してよくある質問に、一問一答形式で回答します。

ネキシウムは何に効きますか?

次の疾患および治療に有効です。

逆流性食道炎(GERD)、非びらん性胃食道逆流症(NERD)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、非ステロイド性抗炎症薬を服用した際における胃潰瘍(NSAIDS潰瘍)、低用量アスピリンを服用した際における胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発抑制、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の除菌補助、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

ネキシウムは強い薬ですか?

胃酸分泌抑制薬の中では、市販薬のH2ブロッカーよりも強力です。

プロトンポンプ阻害薬の中では、パリエットやタケプロンなどの類似薬と同等です。

ネキシウムとタケキャブではどちらが強いですか?

胃酸分泌抑制作用においてはタケキャブの方が強力です。

症状を緩和する効果は同等であると考えられます。