日本移植学会総会2022:ベリタスが紹介した「LABScreen」と「HLA Fusion」とは

第58回日本移植学会総会におけるベリタスの企業展示内容と注目ポイント

2022年10月13日(木)〜15日(土)に開催された 第58回日本移植学会総会 において、株式会社ベリタス が企業展示ブースを出展し、移植医療・免疫分野に関する注目の検査試薬やソフトウェアを紹介しました。本記事では、その出展内容と背景、そしてそれが示す意義について詳しく整理します。

ベリタスとは — 移植医療・HLA関連を担う企業

ベリタスは、学術研究用試薬や体外診断用医薬品・診断薬原材料などを取り扱う企業であり、特に免疫・HLA・MHC 関連製品を豊富にラインアップしています。彼らは、細胞分離、培養、遺伝子発現解析、細胞・生体試料取り扱い、微生物検出、創薬支援など、多岐にわたる研究および診断のニーズに対応しています。

そのような背景のもと、移植医療において重要となる HLA(ヒト白血球型抗原)関連技術を持つ企業として、ベリタスは国内でも注目されています。

第58回日本移植学会総会での出展概要

展示会の基本情報

  • 学会名:第58回日本移植学会総会
  • 会期:2022年10月13日(木)~15日(土)
  • 展示会場:名古屋観光ホテル(愛知県名古屋市)・曙の間

ベリタスの展示内容

ベリタスの展示ブースでは、以下のような主力製品およびソフトウェアが紹介されました。

  • 抗HLA抗体検査試薬「LABScreen
  • 専用解析ソフトウェア「HLA Fusion

これらを中心に、同社は移植医療における HLA 抗体の検出・解析ソリューションをアピール。来場者に対して製品の使いやすさや臨床応用の可能性について説明していました。

なぜ「LABScreen」と「HLA Fusion」が注目されるのか

移植医療における HLA 抗体検査の重要性

移植医療では、臓器や細胞の提供者と受容者の HLA 型の適合性が重要です。さらに、移植後の拒絶反応リスクを評価するためには、受容者の血清中にどのような HLA 抗体が存在するかを正確に検出・解析する必要があります。抗HLA抗体検査は、このプロセスにおいて極めて重要な役割を担います。

LABScreen と HLA Fusion の強み

「LABScreen」は、抗HLA抗体を検出するための試薬であり、移植前後の患者の免疫状態を高感度かつ正確に把握できるとされています。一方、「HLA Fusion」はその結果データを解析・管理する専用ソフトウェアで、試薬による検査結果を臨床や研究で活用しやすくするためのツールです。

これらを組み合わせることで、研究者や臨床医は、単なる抗体有無のチェックだけでなく、どの HLA に対して抗体があるか、量や強さはどの程度か、などを定量的に把握できる可能性があります。移植適合性評価や、長期フォローの免疫モニタリングにも応用しやすい点が、来場者の関心を集めたようです。

展示会への期待と今後の意義

このような HLA 抗体検査・解析技術の紹介は、移植医療の安全性・成功率向上に直結します。特に:

  • 臓器移植や細胞移植における拒絶リスクの低減
  • 移植後免疫管理の効率化とモニタリング強化
  • 研究用途としてのデータ蓄積と解析の標準化

などが期待されます。また、こうした展示を通じて、研究者・臨床医・製薬/検査企業間の意見交換が進み、今後の移植医療の展開につながる可能性も高いでしょう。

まとめ:移植医療における HLA 検査ソリューションの普及へ

第58回日本移植学会総会でのベリタスによる企業展示は、移植医療界における HLA 抗体検査・解析の重要性と、それを支える技術の現状を示すものでした。特に「LABScreen」と「HLA Fusion」は、移植適合性評価や免疫モニタリングの面で要注目です。

今後、臨床・研究の現場でこうした技術がどのように活用されるか、またベリタスが他の関連製品やサービスをどのように展開していくかに注目が集まります。

より詳しい情報や、同社の移植・HLA 分野の製品については、公式サイトをご覧ください:第58回日本移植学会総会 企業展示のお知らせ