片頭痛を減らすための予防ケアガイド

片頭痛を減らすためにできること — 予防ケアのすすめ

発作のたびに強い痛みに襲われ、不安やストレスが続く――そんな片頭痛(偏頭痛)に悩む人は少なくありません。発症のタイミングを完全にコントロールすることは難しいですが、普段からの習慣や生活環境を整えることで「起こりにくくする/頻度を減らす」ことは可能です。ここでは、セルフケアで始められる予防法から、医師と相談すべき薬の予防療法まで、バランスよくご紹介します。まずは今日から取り入れられるヒントを探してみましょう。

なぜ「予防」が重要なのか

片頭痛の治療には、発作が起きたときの「急性期治療薬」を使う方法があります。しかし、それだけでは根本的な発作の頻度や重症度を減らすことは十分とは言えません。予防治療は、発作の回数や痛みの程度を抑え、急性期薬の使用頻度を減らすことで、日常生活の質を向上させる効果が期待されます。

セルフケアでできる9つの予防法

① 規則正しい生活リズム

毎日同じ時間に起きる、できれば起床後すぐに日光を浴びる――こうした「体内時計を整える」習慣は、自律神経やホルモンバランスの乱れを防ぎ、片頭痛の発症リスクを下げる可能性があります。特に女性はホルモンの影響を受けやすいため、規則正しいリズムが有効とされています。

② 十分な睡眠をとる

睡眠は疲労やストレスの回復、脳や体の休息に欠かせません。入眠前のスマホ・パソコンなどのブルーライトを避ける、日中に軽い運動やストレッチで体を動かす、毎晩同じ時間に寝る――といった工夫が、睡眠の質向上につながります。睡眠不足や睡眠リズムの乱れは片頭痛を誘発しやすいため、質と時間の両面で十分な睡眠を確保しましょう。

③ 刺激の少ない生活環境に調整

強い光、騒音、人混み、強いにおいは片頭痛のトリガーになりやすいとされます。外出時にサングラスを使う、人混みや騒がしい場を避ける、香りが強い食べ物を控えるなど、自分の敏感なポイントを把握したうえで環境を整えましょう。発作時は暗く静かな場所で安静にすることも大切です。

④ 食事・サプリメントの工夫

ビタミンB2やマグネシウムは血管の収縮を穏やかにする働きがあり、片頭痛予防に役立つ可能性があります。豆類、乳製品、魚介類、藻類などをバランスよく取り入れましょう。一方で赤ワイン、チーズ、チョコレートなど血管を拡張させる可能性のある食品は量を調整し、自分の体質を確認しながら摂取を控えめにするのがおすすめです。

⑤ 低血糖の予防

空腹や不規則な食事は血糖値の乱れから片頭痛を誘発することがあります。規則正しい食事、三食しっかり食べること、過度な糖質制限を避けることを意識しましょう。外出時は軽い補食を持ち歩くと安心です。

⑥ ストレスの軽減・解消

ストレスは片頭痛の大きな引き金です。趣味、運動、リラックス時間の確保など、自分に合ったストレス発散方法を見つけましょう。定期的な休息も重要です。

⑦ 月経周期の把握(女性の場合)

女性はエストロゲンの変動によって片頭痛が起こりやすくなります。月経周期と発作の関係を記録し、自分の傾向を把握すると予防しやすくなります。ピルの使用や生理不順がある場合は医師へ相談するとよいでしょう。

⑧ 頭痛ダイアリーをつける

頭痛ダイアリーに発症時の状況、行動、食事、天候、睡眠、ストレスなどを記録すると、自分のトリガーを発見しやすくなり、予防に大きく役立ちます。診察時にも有用です。

⑨ 必要に応じて「予防薬」の検討を

セルフケアだけでは改善が難しい場合は、医師に相談し予防薬を検討することも大切です。予防薬は発作頻度や痛みを減らし、急性期薬の使いすぎによる薬物乱用性頭痛を防ぐ目的でも使用されます。

片頭痛の予防に使われる主な薬/治療法

ここでは代表的な予防薬と治療法をご紹介します。使用を開始する際は必ず医師に相談してください。

カルシウム拮抗剤

血管の収縮・拡張を穏やかに保つことで発作を和らげるとされ、初めての予防内服として選ばれることがあります。

抗うつ剤

アミトリプチリンなどが用いられ、セロトニン調整を通じて神経のバランスを整えます。眠気や口渇などの副作用があるため、就寝前に服用するケースが一般的です。

抗けいれん薬

バルプロ酸やトピラマートなどが知られ、神経の興奮を抑えることで発作頻度を減らすとされています。ただし妊娠中の使用には注意が必要です。

β-ブロッカー

プロプラノロールやメトプロロールが代表的で、多くの研究で発作頻度の減少が示されています。心疾患・呼吸器疾患のある方は医師とよく相談する必要があります。

漢方製剤

体質改善を目的に、呉茱萸湯、釣藤散、葛根湯などが使われることがあります。即効性は期待しにくいものの、長期的なバランス調整に役立つ可能性があります。

どの対策を選ぶべきか? ― 状況に応じた使い分け

片頭痛の原因や出やすさは人それぞれです。まずは生活習慣・環境改善、睡眠、ストレス管理など自分でできる対策から始めるのがおすすめです。一方で、発作が月数回以上、あるいは生活に支障をきたす場合は、医師と相談して予防薬を検討するとよいでしょう。

継続の大切さ ― すぐに結果が出ないこともある

予防ケアは継続することで効果が現れます。予防薬の効果判定には数か月かかることもあり、生活習慣改善も徐々に変化が出るため、焦らず続けることが大切です。

また、習慣の見直しやストレス管理は、発作頻度や回復速度に少しずつ影響を与える可能性があります。自分のペースで無理なく取り組みましょう。

まとめ

片頭痛は「治せない頭痛」ではなく、「うまく付き合っていける頭痛」です。発作自体を完全に防ぐことは難しくても、頻度や重症度を下げ、より快適に日常生活を送る方法は数多くあります。生活習慣の調整やセルフケアから始め、必要に応じて医師と予防治療を検討していきましょう。あなたの日常が少しでも楽になることを願っています。

元記事はこちら:片頭痛の予防