鳥取労働局が推進する“見える化”の目的と実践事例まとめ
安全「見える化」とっとり運動とは?鳥取労働局が示す“見える化”の取り組みとは
仕事の現場で起きやすい「転倒」「墜落」「はさまれ」「転落」などの労働災害。これらを防ぐ鍵のひとつが、目に見えない危険を「見える化」して、働く人すべてが災害リスクを認識する環境づくりです。今回は、鳥取労働局が推進する「安全『見える化』とっとり運動」について、その目的や取組内容、効果を詳しく紹介します。
「見える化」とは何か
「見える化」とは、職場に潜む危険や有害性を、写真・表示・掲示などの手段によって“目に見える形”で示すことを指します。普段は無意識になりがちな床の段差、階段の手すりの有無、通路の整理整頓状況といった要素も、「見える化」によって危険を認識しやすくなり、働く人すべてで共有することで、安全意識を高めることができます。
なぜ「見える化」が効果的なのか
人が外部から受け取る情報のうち、視覚から得られる割合は非常に大きいとされます。そのため、「危険」や「注意すべきポイント」を視覚的に示すことで、事故防止に大きな効果が期待されます。特に、転倒やはさまれ、転落など“うっかり見落としやすい”災害の防止に、「見える化」は強力な手段となります。
「安全『見える化』とっとり運動」の概要
鳥取労働局では、安全で安心な職場づくりを推進するため、「見える化」を軸とした以下の取り組みを呼びかけています。
- 事業者や安全衛生担当者による「安全宣言」の実施
- 職場環境や作業方法に潜む危険の「見える化」
- 安全衛生情報や安全管理活動の「見える化」
- 定期的な職場点検や巡視の実施
- 関係者間の情報共有・協議を通じた安全衛生意識の浸透
また、取り組みを具体化するためのリーフレット配布や研修会の開催、優秀な事例を表彰する「見える化」コンクールの実施なども行われています。
具体的な「見える化」の事例
例えば、通路や階段の段差に注意喚起の表示を貼る、通路の通行方向や安全通路を明示する、フォークリフト作業時の後方注意を促す掲示を行う、作業手順や安全ルールを掲示して全員が確認できるようにするなどの工夫があります。こうした「誰でも見て分かる」仕組みによって、「危険だったが気づかなかった」「うっかり不注意だった」という事故を未然に防ぐことができます。
「見える化」がもたらす効果
危険を可視化し、働く人に共有することで、以下のような効果が期待されます。
- 転倒・墜落などの労働災害の防止
- 安全意識の向上と、労働者一人ひとりの行動改善
- 職場全体の安全衛生水準の底上げ
- 管理者・従業員双方の安全への責任感の共有
取り組みを継続することで、職場に“安全文化”が根づき、長期的な労災削減や働きやすい職場づくりにつながります。
なぜ今「見える化」が注目されるのか
多くの労働災害は「注意すれば防げたはずの事故」が原因です。しかし、危険な職場環境や不安全な作業方法は、見た目では分かりにくかったり、日常業務に紛れて見落とされがちです。そこで「見える化」によって、事前に危険を明示し、誰もが認識できるようにすることで、見落としによる事故を減らすことが期待されます。
まとめ:安全な職場は「見える化」から
「安全『見える化』とっとり運動」は、危険を見える形で示すという非常にシンプルかつ効果的な方法です。大企業だけでなく、中小企業や小規模事業所でもすぐに実践できる、安全衛生の第一歩といえます。
もしあなたの職場で、通路の整理整頓や段差の表示といった“見える化”がまだ実施されていない場合は、まずは小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。
詳しくは、鳥取労働局の「安全『見える化』とっとり運動」のページをご覧ください。こちら
