日本創傷外科学会 第18回学術集会を振り返る
第18回 日本創傷外科学会学術集会 開催概要
医療関係者、研究者のみならず、創傷治療に関心を持つすべての人が注目する学会、日本創傷外科学会(JSSWC)による第18回学術集会の開催が決まりました。ここでは、その開催概要とともに、学会の歴史やこれまでの集会の歩みを振り返ります。
学術集会の基本情報
- 会期:2026年7月9日(木)・10日(金)
- 会場:アクトシティ浜松 コングレスセンター
- テーマ:創傷治癒のパフォーマンスを上げる
- 会長:鳥山 和宏(名古屋市立大学 形成外科)
なぜこの大会が重要か
創傷治療は、一次治療や救急医療だけでなく、慢性創傷、再生医療、瘢痕(はんこん)管理、感染対策、褥瘡ケアなど幅広い医療現場に関わる重要な領域です。「創傷治癒のパフォーマンスを上げる」という今回のテーマは、傷の治癒速度や治りの質を高めるだけでなく、患者さんのQOL(生活の質)を向上させることに直結します。
このような学会の場では、最新の手術技術、再生医療、褥瘡・難治性潰瘍の管理、感染対策、瘢痕・ケロイド対策など、創傷医療に関する最新知見が共有され、多職種や異分野間の連携・情報交換の場として非常に価値があります。
これまでの歩み — 過去の学術集会
JSSWC は2009年の設立総会を皮切りに、毎年またはほぼ毎年、全国各地で学術集会を開催してきました。最初の会(第1回)は2009年1月に開催され、以降、第2回は神戸(2010年7月)、第3回は札幌(2011年7月)、第4回は福岡(2012年7月)など、多様な地域で行われています。
それぞれの回で、基調講演、招待講演、特別講演、シンポジウム、パネルディスカッション、教育セミナー、ビデオシンポジウム、市民講座など、幅広い形式で“きず・きずあと”を中心に据えたテーマが扱われてきました。たとえば設立総会では、外国からの講師による創傷感染に関する講演も行われました。
今回の大会に期待されること
第18回大会では最新の臨床・研究動向に加え、創傷治療のパフォーマンス向上を掲げることで、以下のような取り組みが期待されます:
- 創傷治癒の治療プロトコルの見直しやアップデート
- 再生医療技術や新素材(人工皮膚、バイオマテリアル等)の共有
- 褥瘡、壊疽、難治性潰瘍など慢性創傷・再発例の管理・治療方針の検討
- 感染対策や手術後ケア、瘢痕・ケロイドの予防・改善法に関する最新知見
- 多職種連携(形成外科、皮膚科、看護師、介護など)や地域医療における包括的アプローチ
リンク先と今後のチェックポイント
大会の公式サイトでは、今後プログラムの詳細、参加方法、演題募集要項、参加登録などが公開される予定です。公式の案内ページは以下から確認できます。
日本創傷外科学会 学術集会 情報
興味のある方はこまめに公式サイトをチェックし、参加登録や演題応募のタイミングを逃さないようにしましょう。
まとめ
医療・看護・介護・研究の現場で創傷治療に携わるすべての方にとって、今回の第18回学術集会は、最新情報を得るまたとない機会です。創傷治療の質の向上やチーム医療の推進、さらには教育・啓発の観点からも大きな意義があります。多くの参加者による活発な議論と情報交換が期待されます。
