夜だけ胸が痛む原因は?冠攣縮性狭心症の可能性と注意点
夜間に胸が痛むのは要注意 — 血管の異常収縮(冠攣縮性狭心症)の可能性
「昼間は何ともないのに、夜になると胸がチクチク痛む」「横になって寝ようとすると胸が締めつけられるような違和感がある」――そんな症状を感じたことはありませんか? 実はそれ、単なる胃の不調や寝姿勢のせいとは限りません。夜間や安静時に起こる胸の痛みは、血管の異常収縮、特に 冠攣縮性狭心症(vasospastic angina)が原因となっている可能性があります。今回は、なぜ「夜だけ胸が痛む」のか、そのメカニズムや注意すべきポイント、そして取るべき行動について詳しく解説します。
なぜ夜や安静時に胸が痛むのか?――血管の異常収縮とは
心臓に酸素と栄養を届ける血管(冠動脈)は、通常、身体の状態に応じて拡張・収縮を繰り返しています。しかし、何らかの刺激で血管が一時的に異常収縮(痙攣)を起こすと、心筋への血流が急激に減少します。この状態を冠攣縮性狭心症(Vasospastic angina / Prinzmetal’s angina)と呼びます。
こうした異常収縮は、必ずしも動脈硬化のような「血管のつまり」が原因とは限らず、見た目にはきれいな血管でも起こることがあります。
冠攣縮性狭心症の特徴的な症状
- 夜間・深夜・早朝など就寝中または安静時に起こる胸の痛み
- 胸だけでなく、あご・肩・腕・首・背中へ広がる痛みや圧迫感
- 「締め付けられる」「焼けるよう」「重い」「チクチクする」など多様な痛み方
- 運動や労作によって痛みが出る典型的狭心症とは異なり、安静時に起こる
なぜ“夜や安静時”に起こりやすいのか
血管は時間帯や体の状態により収縮・拡張を繰り返していますが、特に夜間〜早朝は血管が収縮しやすいとされています。そのため、安静時でも血管の異常収縮が起こると、昼間より胸痛が出やすくなるのです。
放置するとどうなるか ― 危険性について
軽い発作であれば数分〜30分ほどで治まることもありますが、頻発する場合や長時間血管が収縮したままの場合、心筋への酸素供給が著しく低下し、心筋梗塞・不整脈、さらには突然死のリスクにつながります。
また、多くのケースで通常の検査(安静時の心電図など)では異常が見つかりにくい点も特徴です。血管が痙攣している瞬間にしか変化が起きないため、医師から「異常なし」と言われても安心できるとは限りません。
気になる症状があったら ― 受診すべきタイミングと検査
次のような症状があれば、早めに循環器内科を受診することを強くおすすめします:
- 夜間や就寝中に胸の痛みや圧迫感がある
- 胸痛があご、肩、腕、背中へ広がる
- 動悸・冷や汗・めまい・息苦しさを伴う
- 通常検査で異常なしと言われたのに症状が続く・再発する
病院では、安静時・ホルター心電図(携帯型心電図)、必要に応じて冠動脈造影や薬剤負荷試験などで血管の異常収縮を調べます。特に夜間に発作が起こりやすい人は、睡眠中の記録が取れるホルター心電図が有効です。
生活習慣で気をつけること ― 予防と対策
血管の異常収縮は、日常のちょっとした習慣が引き金になることがあります。次のような対策が効果的です:
- 喫煙者はできるだけ早く禁煙を — 喫煙は血管収縮の大きな要因
- 強いストレス・冷え・寝室の過度な冷暖房を避ける
- アルコールや血管を収縮させやすい薬剤の乱用を避ける
- 就寝時の姿勢や枕の高さを見直す(仰向けで痛みが出る場合など)
- 症状が出たら自己判断せず、医療機関へ相談する
まとめ
「昼間は元気なのに夜になると胸が痛む」という症状は、決して軽視できません。血管の異常収縮(冠攣縮性狭心症)は動脈硬化が目立たない人にも起こり、夜〜早朝に発作が多いという特徴があります。気になる症状がある場合は、早めに循環器内科を受診しましょう。
少しでも心当たりがある方は、この記事を参考に、まずは検査を検討してみてください。
